S-Life<エスライフ>収納カウンセラーの岸上奈美と申します。
全12回を通して皆さまに毎日の生活をより快適に過ごせるための役立つ収納のお話しをお伝えいたします。
第2回目の今回のテーマは『収納指数®』です。
良い収納を実現するためのポイント
良い収納にすることや理想の住まいについて考えた際に、どういった状態のことをイメージされるでしょうか?
モデルルームのような見た目の美しい収納や、収納スペースや家具などにパズルのように隙間なくびっしりキレイに収納された状態、モノの少ないホテルのような空間をイメージする方もいるでしょう。
しかし、「良い収納」にするために大切なポイントは、「出して→使って→戻す」がラクにできる、出し入れしやすい指定席(モノの置き場所)にモノが収まっていることです。
大切なことは、全てのモノに指定席を設けること。どこでもいいわけではありません。
そこで指定席を決める際に目安となるものが『収納指数®』という考え方になります。
収納指数とは?
収納指数とは、モノの出し入れに必要な動作を数値化したもので、片付けが「面倒」か「ラク」かを数値化したものです。
収納指数® = 歩数+アクション数
使いたいモノを出し入れする際に必要な歩数
下記などの動作の数
- 扉を開ける
- 引出しを引く
- 背伸びをする
- しゃがむ
「歩数」と「アクション数」を足した数値が低ければ低いほど、時間と労力のかからない「ラクな収納」ということになります。
リビングで掃除機をかける場合の収納指数
例えば次のイラストのように、リビングで掃除機をかけることとします。
①「2階の物入れ」が指定席の場合
①の掃除機の指定席は、2階の物入れにいれています。
リビングから階段を上がって2階の物入れまで進み(歩数)、物入れの扉を開けます(アクション数)。
さらに物入れの掃除機の前にモノが置かれている状態なら、まずモノを物入れから取り出してから(アクション数)掃除機を取り出さなければいけません。
指定席は決まっていても、掃除機を置いている場所までの歩数やアクション数が多くなると「使い勝手の悪い、出し入れが面倒な指定席」になってしまいます。このような状態だとお掃除も面倒になってしまいます。
②「1階の物入れ」が指定席の場合
一方で②の指定席の場合、リビングから近い場所の物入れに指定席があり、扉を開けるとサッと掃除機を取り出す事ができます。
収納指数が低いほど出し入れがしやすくなり、使い勝手の良い指定席になります。
収納指数の低い指定席を作るには
しかし、全てのモノを収納指数の低い場所に置くことはできません。ですので、以下のグラフを参考に指定席作りに取り組んでみてください。
指定席作りのポイントの一例
- 使用頻度が高い、毎日使うような筆記用具は、使う場所から手が届く範囲に置きましょう
- 掃除機など週に2~3回程度使うものであれば、使う部屋の中に指定席を設けましょう。
- 半年に1度使用するかどうかのスーツケース等の使用頻度が低いものは、別の部屋に指定 席を設けてもかまいません。
- ひな人形・五月人形・季節の装飾品などの一年に一度しか使わないものは、押し入れの天袋などの場所でもかまいません。
人によって、モノの使用頻度や掃除などの家事の頻度や方法はさまざまですが、毎日使うような使用頻度が高いモノほど、収納指数の少ない指定席を設けてください。
次回は、一生散らからない家にするための方法『モノが片付く5つのステップ®』についてお伝えいたします。
『収納指数』『モノが片付く5つのステップ』は、整理収納の第一人者・収納カウンセラー飯田久恵先生考案のもので、快適な収納を実現するための収納の考え方になります。